特に注意が必要な副作用①
腫瘍崩壊症候群
腫瘍崩壊症候群はどうして起こる?
腫瘍崩壊症候群は、治療にともない、腫瘍(がん)細胞が急速に壊れるときに起こる副作用です。
- 治療によってがん細胞が急速に壊れ、がん細胞に含まれている成分が、血液中に一気に、大量に放出されることにより引き起こされる副作用です。
- 治療開始後12〜72時間(3日)以内に起きることが多いです。
腫瘍崩壊症候群の予防
- 1ベネクレクスタ服用開始前に、がん細胞を減らすための治療を行うことがあります。
- 2ベネクレクスタ服用開始前から、
処方された「高尿酸血症治療薬」を服用します。 - 3ベネクレクスタ服用中は、
1日あたり1.5~2.0Lの水分を、毎日摂取します。
水分摂取のポイント
- 服用開始前から水分補給を始めてください。
水分を多くとることで、尿が薄められ、尿酸が結晶化しにくくなります。
電解質のバランスが崩れることも予防します。
入院中の方や、経口摂取が難しい方については、点滴による輸液投与が行われることもあります。
腫瘍崩壊症候群に関連する主な症状
このような症状がみられたら、すぐに医師や看護師、薬剤師に連絡してください。
腫瘍崩壊症候群で生じる体内での異常
- 高尿酸血症(尿酸が増える)
- 高カリウム血症
- 高リン血症
- 低カルシウム血症
- 代謝性アシドーシス(血液が酸性になる) など
重篤副作用疾患別対応マニュアル「腫瘍崩壊症候群」平成30年6月改定(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1e41.pdf)
(2024年6月28日利用)
田村和夫ら(編著):
がん患者の症状 まるわかりBOOK, 照林社, 2018, p482-485
ベネクレクスタ「適正使用ガイド」